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監理団体の役割とサポート内容~コミュニケーションを深めることの大切さ~

■監理団体の役割

外国人技能実習制度において監理団体は、技能実習としての適正な受入れがなされているかどうか、その実習実施者を監督・指導することが役割となっています。

これが国から与えられた使命(責任)となっています。そのため、外国人技能実習機構は監理団体に対して「きちんと監査訪問をしているのか?」と裏付け資料の提示を求めるなどして確認をしに来ます。

■監理団体のサポート内容

監理団体は、技能実習が適正に行われるよう実習実施者や技能実習生をサポートする立場でもあります。

例えば、技能実習指導員が技能実習生に対して実務指導を行う中、
「何回説明しても指導内容が伝わらない。指導した通りに技能実習生が動いてくれない。」
など実習実施者から助けを求められれば、監理団体は通訳を連れて実習実施者の元へ行き、母国語で支援をしなければなりません。 

また、生活指導員が指導したように宿舎(寮)をルール通りに使用してくれないといった場合にも、監理団体は通訳を連れて母国語で指導をしに行かなければなりません。

通訳の支援だけではありません。
技能実習を効果的に行うポイントや情報などを、実習実施者へ指摘や助言、提言をするなどのサポートも必要です。これは日頃アンテナを張って各種行政や現場毎の情報収集に努めていないと出来ませんし、これまでの経験を活かして行うことでもあることから、監理団体の経験値を問われる部分でもあります。

そして、監理団体のサポートでは技能実習生の個人的な相談という大事な仕事もあります。
技能実習生からの相談対応は、監理団体に義務付けられた備付帳簿にある「団体監理型技能実習生からの相談対応記録書」を運用する仕事になります。

他にも、日本語学習の機会を設けることや、日本文化に触れる機会を与えることも義務付けられており、監理団体としては何らかのアクションを起こしていく必要があります。これらに関しては、実習実施者主導で行っていく必要があります。なぜなら、技能実習生とのコミュニケーションを深めなくてはならないのは実習実施者だからです。

そのため、日本語学習の機会や日本文化に触れる機会は、監理団体が実習実施者へ様々な情報提供や提案を行い、実習実施者に実行してもらうということを基本的な指針としています。

その他、実習実施者、技能実習生に円滑な技能実習を行っていただけるよう、様々な場面で細やかなサポートをしていくことが肝要です。
どこまで、どういったサポートを行えるかは監理団体の能力によるところであり、監理団体の特色ともなっていることでしょう。

■技能実習を成功させるためのサポート

技能実習を成功させるために必要なのが、実習実施者と技能実習生との間でのコミュニケーションを深めるということです。

とにもかくにもコミュニケーションを深める。これに尽きると思われます。

コミュニケーションが日頃から密にとれていれば、勘違いや思い過ごしなどによるトラブルは少なくなります。それだけでなく、職場でのやりとりがスムーズになり生産性も上がります。逆に、コミュニケーションがあまりとれていないと、職場でのやりとりはしどろもどろで、生産性は悪く、労災事故の危険性も増すことになります。また、些細なことでトラブルになる可能性も大きくなります。
最悪の事態では、途中帰国や失踪といったことに結びついてしまうこともあるでしょう。

では、監理団体が実習実施者へ、コミュニケーションを深める努力をしてもらうよう促すにはどうすれば良いのでしょうか。

〇毎月、技能実習に関する情報紙を配布

請求書に技能実習に関するレターを同封し、そのレターにコミュニケーションを深めることの大切さや、コミュニケーション不足が引き起こす問題などを記載し、定期的な啓発を行います。監査訪問の際、監査実施概要を用いて実習実施者へ質問をしますが、その質問項目に、「技能実習生とコミュニケーションを深める努力は、どのようなことをしているのか?」という質問を追加し、それを監査訪問の度に毎回聞きます。実習実施者は毎回、確認をされることで、コミュニケーションの大切さを、日頃から意識していただけることが期待できます。 

〇監査訪問時に毎回確認をとる

監査訪問の際、監査実施概要を用いて実習実施者へ質問をしますが、その質問項目に、「技能実習生とコミュニケーションを深める努力は、どのようなことをしているのか?」という質問を追加し、それを監査訪問の度に毎回聞きます。実習実施者は毎回、確認をされることで、コミュニケーションの大切さを、日頃から意識していただけることが期待できます。

〇技能実習生にもコミュニケーションを深めることの大切さを定期的に説く

監査訪問にて技能実習生と面会する際は、必ず実習実施者とのコミュニケーションがどの程度取れているかを確認します。

また、コミュニケーションを深めることの大切さを説明した文章を母国語で作成しておき、それを監査訪問時に時に音読までを指導し、理解を深め、継続して意識できるようにすることも効果的かもしれません。

技能実習生が積極的に日本人とのコミュニケーションを取るようになれば、日本語の上達スピードが上がるという期待もできます。

 

以上、監理団体の役割とサポートということで綴ってまいりましたが、特に重要なコミュニケーションを深めていただくためのサポート内容を中心に説明させていただきました。 それだけ相互にコミュニケーションをとるということは大切なことで、監理団体の役割は、制度上義務付けられたものから、義務付けられていない部分までもが、大変重要なサポートでもあります。

外国人受入適正化協議会 ~SAVE~ 笹本

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