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【dekisugiコラム】技能実習生の配属から就業までの流れを解説

1 配属

入国後法定講習が始まった時点でいつから配属可能かが分かります。
配属日までに生活に必要なものの準備(生活必需品、電気ガス水道、WI-FI)を実習実施機関(以下、受入企業)にお願いしましょう。
特にWI-FI環境は入居時に開通しておくことが必須となります。
自転車は保険加入が必要ですのでご注意ください(ヘルメットも努力義務化となります)。
配属時には、今後必要になる各種書面を纏めたものをファイルにして渡すと良いでしょう。

全くの新規で技能実習生(以下、実習生)を受け入れる会社には、制度も含めて、丁寧な説明が必要です。
技能実習責任者、技能実習指導員の常勤性証明書類や出勤簿、賃金台帳。労働者名簿や組織図、在留カード、パスポートのコピーや実習生総合保険証書等、実習生に関わる書類は一つのファイルにまとめておくと、外国人技能実習機構が監査に来た際にそのファイルを提示すれば全てわかるので便利です。
ただし、そのファイル内は常に最新の状態にしておかなければなりません。
毎月の定期訪問で監理団体はそのファイルの中身が最新であるかを確認しておきましょう(実習生名簿は1年毎に追加、修正が必要、出勤簿や賃金台帳は毎月追加されます)。

監理団体として、実習生を受入れるための注意事項を講習することも有効です。

実習生への注意の仕方(伝え方)や実習生に分かりやすい言い回し、言ってはいけない言葉やしてはいけない行動等を実際に実習生と関わる受入企業側の方へ助言していきましょう。
外国人の考え方を理解することで避けられるトラブルは少なくありません。 

実習生の今後の監理に関わる書類も別に説明しておきましょう。
月々の記入が必要な実習日誌や実習生の出勤簿、健康診断の結果、社会保険、雇用保険の加入が分かる書類、家賃等を給与から控除する場合の賃金控除の協定書、給与振込の場合の口座振込の同意書があるかどうかも確認しておきましょう。
雇用契約書条件書や有給休暇の管理簿も直ぐに確認ができる状態にしておきましょう。
 
実際の住居でゴミの分別方法及びゴミ出しのルールについては特に念入りに指導しましょう。
ご近所トラブルのほとんどはゴミ出しと騒音で、とくに、ごみの分別を徹底することとできるだけ騒音を発生させないこと(窓を開けての大音量音楽の禁止、大人数で集まってのパーティーの時間制限、カラオケ禁止)。

ご近所にご挨拶してまわることも効果的です。
周辺住民との関わりが大切ですので、この点は重点的に指導しましょう。 

町内会に加入することを進められる場合がありますが、地域の住民と円滑な関係を築くためには加入しておいたほうが良いでしょう。地域交流の連絡(地域の祭りや清掃活動、廃品回収)が来る機会もありますので積極的に活用しましょう。

 

(以下、配属時のファイル書面の一覧の例です)

2 就業

就業するにあたり、特別教育が必要な職種がありますので注意が必要です(とび、建設機械施工、溶接)。
社内規定や会社のルールについては通訳を交え、後々誤解がないようきちんと説明しておきましょう。
遅刻や無断欠勤が頻繁に起こった場合の対策も受入企業側は事前に規定に盛り込んでおくことも有効です。

受入企業側は、実習生が働きやすい職場環境を整備するとスムーズに入職できます。
実習生母国語版のマニュアル作成や掲示物の翻訳、禁止事項の掲示などを行うことも有効です。
初回の給料日に、実習生から明細に関しての質問がありますので、きちんと説明しましょう。
最初に疑問点を解決しておかないと後々のトラブルになる可能性が高く、最悪の場合は失踪につながります。

雇い入れ時の健康診断は入社後3か月以内に行わなければなりませんので監理団体はきちんと確認しておきましょう。

実習生が家族を扶養に入れて、年末調整を行う場合、送金先と扶養人が一致している必要がありますので送金先についても説明が必要です

3 入社前の雇入れ時教育(安全衛生教育)

日本人も外国人も、就業が始まる前に、安全衛生教育を施すことが必要です。業種業態(職種作業)によっても違いますので、必要に応じた指導をしたのちに、就業(実習)に就くようにお忘れなく。

参考:https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo68_1.html

外国人受入適正化協議会 ~SAVE~ 田代

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